【これから留学をするという人に伝えたいこと】トビタテ留学JAPAN日本代表プログラム第8期派遣留学生壮行会でのOG挨拶

4年前。2014年の今頃の時期、私は留学の準備をしていました。選考書類を書いていた頃です。

 

3年半前、みなさんが今座っているように、2014年の夏、私たち1期生も壮行会があり、今私が立っているここには、支援企業を代表してソフトバンク孫正義さんが立ってらっしゃいました。

トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム 第1期派遣留学生壮行会 支援企業からの激励メッセージ ソフトバンク株式会社 代表取締役社長 孫正義様:文部科学省 - YouTube

 

これから留学をする8期生のみなさんに対して、(帰国したばかりの一つ二つ上の代ではなくて、) 3年以上前に留学した1期生の私が、今ここで話をさせて頂くのには理由があります。

 

それは、「留学」そのものではなくて、留学をして「留学をその後にどう繋げるか」こそが大事だということを伝える為です。そうした意図があって、留学から帰国して3年少し経つ私が、みなさんの先輩として話をさせてもらう場を頂き、こうして今ここに立たせてもらっています。

 

留学前は東京に住み、早稲田大学に通っていました。留学を終え、帰国後、広島県の離島で約3年間活動をしてきました。帰国した翌月から休学をして、地域おこし協力隊として広島県大崎上島町役場で働きました。

 

というのも、私はずっと日本の専門性を重視しない職業観に違和感を持っており、専門性の軽視が専門職の人手不足を生むのではないかという問題意識のもと、専門性を重視するドイツ、それから学歴を重視する韓国とへ行けば、何か解決策が見つかるのではないか。そう思い、留学へ行きました。しかし、私自身はこうしたことを外国で研究し続けるよりも、日本で解決に向けた動きをしたいと留学の終盤に気づきました。

 

帰国してすぐに選んだ道は、職人の多い広島の小さな町で、廃校の可能性指定を県の教育委員会から受けた県立の高校を、町の職員として存続に向けて取り組むプロジェクトに参画することでした。


帰国して10日後には、大学へ休学届けを出し、まだ募集要項を出す前の段階でこのプロジェクトについて知り、東京からその町へと向かいました。

 

その町は本土と橋でつながっていない完全離島でした。


その島へ飛び込んだのは、韓国やドイツでの生活のすぐ後です。日本語が通じると思えば、あまり悩むこともなく、この選択は簡単に取れました。それこそ海外だと思って飛び込み、地域の人とできるだけ交流を多く持ち、どうすればこの高校の魅力が増し、入学者が増え、廃校にならなくて済むだろうかと日々考えながら事業に取り組みました。

 

その時に、「専門性もバラバラで、出身地も大学の場所もバラバラで、留学先もバラバラ。そんなトビタテ生みんなで、国際的な視野で地域のある一つの課題を考えるような時間があればとても面白いのではないだろうか」と思い、企画したのが2015年の「造船の島のアイデアソン」というトビタテ生の地域イベントでした。

 

地元の商工会に予算をつけてもらい、帰国している1期生に声をかけ、どうすればその島の基幹産業である造船業の魅力がより多くの人に届くだろうかということについて、3日間かけて地域の方へのヒアリングや船造りの現場の見学をしながら、離島での合宿をしました。

 

するとこの翌年度、このイベントが内閣府の地方創生加速化交付金事業として事業化し、1年間だけと思い、大学を休学して飛び込んだ島に私はその後さらに2年関わることになりました。トビタテの地域イベントが事業化してそれが仕事になるだなんて私は考えてもいませんでした。

 

話せばまだまだ長いのですが、「留学した経験で身についた飛び込む力」やこの「多様性に富んだトビタテコミュニティー」を留学後に、活かすことができました。

 

これから留学に行く皆さんは今留学準備で頭がいっぱいかもしれません。そんな皆さんにとって、留学から帰ってきてからのことは少し考えにくいことかもしれませんが、私からは「留学」そのものではなくて、留学をして「留学をその後にどう繋げるか」こそが大事だということを伝えたくて、お話をさせて頂きました。

 

トビタテ生を瀬戸内の離島に集めて地域の課題解決について議論し、それ自体を事業化させ、仕事にした、変わった一期生がいるということを留学経験をその後にどう活かせるだろうかという一つの事例として、皆さんの頭の片隅に置いて頂き、帰国後の選択肢の幅が広がればなと思っております。

 

留学に行って終わり、ゴールではありません。人生はまだまだ長いです。ぜひ、帰国してからも活きるような留学をしてきてください。留学を終えてからのことが楽しみで楽しみで仕方ないような体験を、皆さんがそれぞれの留学先で経験できることを心からお祈りして、私からの応援のメッセージとさせて頂きます。

 

 2018年3月11日 

 

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