【「早稲田大学 新卒」をどう使うか】母校のキャリアセンターで後輩に話をしたこと。話したかったこと。

「地域で頑張る先輩として、地域での働き方や魅力、どうしてその働き方に至ったのか話をしてほしい」という依頼を受けて、母校早稲田大学のキャリアセンターの「U/I/Jターンセミナー」で、Jターン代表としてお話をさせてもらいました。

 

早稲田の総長が基調講演をしたシンポジウムで、パネリストを務めたことで総長室長さんたちと知り合えたご縁でこのような素敵な場を頂けることになりました。

 

UターンやIターンはいても、Jターンしようかどうしようか悩んでいる後輩像がまったく描けなかったので、Jターンの魅力みたいなところとは別に自分なりにテーマを設けようとうんうん考えを巡らせているときに、早稲田大学の卒業生で後輩へ講演をしての所感をまとめた発酵デザイナー・小倉ヒラクさんの記事が目に止まり、読んでみて今の学生の全体像としてとても納得感をもって、すっと入ってきたのでこちらを参考に発表資料をつくりました。

 

現代は「あんまり将来に期待してない子」と「自分の手で未来をかえられる実感のある子」の二極化が激しい時代なのかしら。

安定を求めて昭和な人生ルートを選ぶことに疑問を持たず、まだ見ぬ自分の才能を半ば諦めている…という20歳の子たちは感性がないわけでははなくて。実は鋭敏な感性で「現実を直視したらアタマがおかしくなりそうだから過ぎ去ったはずの時代が永遠に続くことにしておこう」と自分に言い聞かせている。
うっかりその鋭敏な感性のセンサーを使って「これから来るべき日本の未来」を覗いてしまうことを恐れているのでしょうか?だからそのセンサーが誤作動しないように、過去のファンタジーで自衛している
二極化する20歳の世界観。早稲田大学で三年間講演をしてわかったこと。 | hirakuogura.com

 

大学4年でトビタテ奨学金留学(交換:韓国→私費:ドイツ)へ行き、帰国して数日で広島の離島の町役場で特別臨時職員としての1年間の勤務を決め、その後東京へ戻り復学したと思えば、離島での1年のうちにやった留学奨学金同期を巻き込んだイベントに国から地方創生加速化交付金というお金がついて事業化したので、またその島へ戻り、NPOでその公共事業に携わる...という改めて文字にすると意味の分からない先輩から伝えたかったことが20分の講演で後輩に伝わりきらなかった気しかしないので、不完全燃焼感を払拭すべく、書きます。

 

リスクをとる、それを楽しむ!

 

早稲田大学の後輩に伝えたいのは、「みんなもっと危ない道を進もうよ」ということ。

 

早稲田大学の中にいると、早稲田大学の学生にもちろん頻繁に会いますし、そんなコミュニティーにいたら、「早稲田大学の学生であるということ」は全く個性として機能しないのかもしれませんが、世間にでれば、「早稲田大学の学生であるということ」は割りとすごいことです。いわゆるいい学校の学生です。卒業すれば、いわゆる高学歴です。

 

多少失敗しても「早稲田大学の学生であるということ」あるいは「早稲田大学を卒業した人であるということ」はそれなりの身分を保証してくれます。

 

(注)早稲田大学出たからえらいんだぞと威張って欲しいわけではありません。

 

早稲田を出たということである程度の人物保障があるので、どんどん危ない道を行ったらいいと思います。東京で就職できないなんて、能力ないのかなって思われる心配だとか、地方での就職は「下る感じがする」なんてことは思わなくていいんです。

 

学歴がないことを馬鹿にする意図は全くありませんが、それでも学歴がない人よりは危ない道を進んでも、早稲田を出たという学歴がその後のある程度の保障になります。学歴を担保に早大生たちはどんどん未知を進んでいったらいいなあと思います。

 

とはいえ、リスクヘッジを!

 

次に伝えたいのは、危ない道へ進むときは命綱をつけるなり、地図を持つなりはするべきということです。

 

危ないところへ行くとしても、”危ないことをする”それ自体に価値があるのではなくて、危なそうに見えて誰も近づかないけれど美味しいところを見つけることに意味があります。

 

たとえば「休学」というリスクヘッジがあります。

 

卒業していきなり、リスクの高いところにいくよりも、「あれはあくまで経験のためにやってみただけだよ」とドヤ顔で戻ってこれる場所があるほうが、よりハイリスクなことができるんじゃないかなと思います。落ちるんじゃないかと心配して中途半端に高いところに上って終わるんじゃなくて、命綱はあるからとてっぺんを目指せる方がより他の人には体験できないような貴重な時間がすごせるんじゃないかと思いますし、命綱を何にするかは人それぞれですが、私の場合は「休学」がそれでした。

 

たとえば、地域で活動をするのであれば、地域おこし協力隊という総務省の制度を利用するのもひとつの手です。年間200万の給与と公務員(特別臨時)という立場が有期で与えられます。

 

リスクを取る姿勢で仲間・応援者を増やす!

 

最後に伝えたいのが、これです。

 

私は「早稲田大学 新卒」を瀬戸内の離島の小さなNPOに使うというやり方で、”リスクをとり”、多くの人に応援してもらいました。

 

早稲田大学出たのに、こんな田舎に」「いい大学出たのに、こんな島でいいのか」等いろいろと地域の方には心配をして頂きました。いわゆるいい大学を出たことで、いわゆるいい会社に就職していれば、得られなかっただろう応援者を得ることができたのは、後になってみてよくよく感じましたが、本当に私にとって宝物のような貴重な経験です。

 

NPOで雇用されている私の扱いを案じて、組織外部のいろんな人が私の雇用主に「給与ちゃんと払ってあげてね」「これくらいはあげないとかわいそうだよ」と言ってくれました。都会だったら、大手企業だったら、こんなことを言ってくれる人はいないなあと本当に思います。お金で計れないようないろんな素敵なこと、ものもいっぱい頂きました。

 

早稲田卒に相応ではないと思われるようなポジションであればあるほど、こちらの熱意さえ伝われば、多くの人が応援してくれるんだなと身をもって分かりました。

 

応援してくれるのに大事なのは学歴だけでないのは、重々承知していますが、私の新卒の使い方が応援に大きく影響したと認識しています。

 

うまく伝わるようにかけたか自信がない部分もありますが、私が伝えたかったのは、

一般的な評価軸では、「”いわゆる”いい学校・早稲田大学」に入学or卒業できているので、次のステップは自分の評価軸でいう「いい仕事」「やりたい仕事」について欲しいなあということです。

 

いい大学いい大学となんども書いたので、学歴主義みたいに届いてしまっていないといいなあと少し心配ですが、ぜひ早稲田の後輩は世間やいわゆるではなくて、自分自信の評価できる・評価したい方向へ進んでほしいなと思います😊

 

 2017年3月早稲田大学商学部卒業生