その労働者が会社/事業に必要な限りにおいては、”働くこと”に求めるものが違ってもいい。

会社は学校じゃねぇんだよ!!

"会社は学校じゃねぇんだよ"というタイトルの記事がバズっていました。なかなか尖った文体で書かれることもあってか、賛否両論な記事です。

 

学生気分で会社に来てるヤツがいる。

お前、何しにきてんの?

「先輩に教えて頂きながら~~~」
「いい友達ができるように~~~」
「どんな仕事にチャレンジできるんですか?」

とか。
ふぬけた事を言ってるヤツがいる。

(続く)

via 

会社は学校じゃねぇんだよ|松村淳平のブログ。

 

一言で言うと、

  「学校に通うことと会社に勤めることの目的は違うのに、多くの社員がそれをはき違えて、学生気分のまま、あるいは学生の延長のようなスタンスで会社に来ていることが理解できないし、そういう人が許せない、またこのままでいいのか?という不安を感じる。」

といった内容の記事でした。

 

あー、わかる!わかる!!というのと、これ、書き方がちょっとキツいから、批判もすごそうだな、というのが最初の感想でした。

 

 

 

 

会社は学校じゃねぇんだよ…?

 

いっぱいFacebookでシェアされてるけど、みんなどんなコメントつけてるんだろうか、と思って読んでみました。読んでみると、あー確かに、そういう視点もあるなあ。と思わされてしまって、少し先ほどの記事への共感とは別に、行き過ぎたらこの人危ないかもなあと勝手な心配を始めてしまいました。

 

結論からいって、経営者がそんなスタンスでは人はついてこないと思う

スタッフのことを考える

 

新入社員がまず先輩から仕事を教えてもらいたいと思うことは当然のことだ。新入社員は世の中にあまたある会社の中から、自分の会社へ進むことを選んでくれたのだ。会社としては新入社員を歓迎して必要ならば教育コストを支払うべきだ。先輩が新入社員に教える際に2人分の人件費が発生するのも当然のことで、記事にあるような「その分死ぬ気で稼げ」っていうのは会社都合でしかない。

 

via

会社は学生気分で良いんじゃね? - はてな村定点観測所

 1番、私の記事への感想を変えたのはこれ(会社は学生気分で良いんじゃね?)でした。

 

「先輩に教えて頂きながら~~~」
「いい友達ができるように~~~」

「どんな仕事にチャレンジできるんですか?」

 みたいなことを言う人たちを自分より下だと捉えているから、そういうやつに”同僚”だと思われたくない、タメ語で話されたくないというように、同レベルとして扱われることにイライラしちゃうのかなあと思いました。

 

マズローの5段階欲求説で言えば、記事を書いた松村さんは”自己承認欲求”の段階で、松村さんから見た他の多くの社員さんは”承認欲求”あるいは”社会的欲求”みたいなところで仕事を捉えていて、だから自分との違いを感じて、そこに苛立ちを感じちゃうのかなと思います。

http://www.flickr.com/photos/61166346@N06/5854234616

 

photo by BetterWorks

 

 

 

”会社は学校じゃねぇんだよ”とインセンティブデザイン

 

すごく偉そうな言い方で言うなら、松村さんは、その”自己実現欲求”のフェーズに自分が居て、相手がその前(あるいは前の前)の段階にいることを分かった上で、相手の欲求レベルに落として、話を進めたり、協力してくべきなのかなと考えました。松村さんは自分とその他大勢の差を認識こそして、受け入れられてないのかな、と。自分が大人で相手はまだ子どもだと思えば、”働くこと”に求めるものが違ってもいい。

 

経営者は、労働者が求めるものが、生活費だろうと、仲間だろうと、わくわくだろうと、名誉だろうと、社会貢献だろうと、その労働者が会社に、事業に必要な限りにおいては、うまくそのインセンティブをデザインして、延長線上に経営者自身の、あるいは会社のゴールを設定しつつ、ブレークダウンした目標をいくつも置いておくことが必要だと私は考えています。

 

だから、松村さんみたいな人はきっと経営者の視点から見て、インセンティブデザインをきちんとせずとも、動いてくれる、あるいは会社を動かす存在であり、すばらしいです。ただ、それ以外のところに、魅力を感じて働いている人がいることに対してイライラするのではなく、ああこの人たちはまだ俺よりは前の段階にいるんだなと思って、その人たちのインセンティブに合わせた対応さえすれば、もっといいんじゃないのかなと感じました。

 

ブレイクダウンしたインセンティブと会社理念に大きなブレがない限りは、相手のインセンティブのフェーズにああだこうだ言ってしまうことは松村さんにとってきっとよくないんじゃないかな。

 

 

 学校だって馴れ合いの場じゃねぇんだよ

 

この記事を見てしばらくして、感じたのが、なんで私フルタイムで働いたことないのに、こんな勝手に共感してるんだ?ということです。

 

ちょっと考えて分かりました。それは多分、同じ様な感覚を私が大学進学して感じたからでした。

 

単に大勢で騒いで盛り上がっても、
そこからは何も生まれない。


群れることで不安を払拭しようとしてるだけ。
僕は群れる事の無意味さを知っているし、
孤独と対峙する強さを持つ事の方が不安を払拭できると考えています。

 

 

みんな、群れるために大学に来てるの?

なんてぬるいんだ。

早稲田って学術的でないにせよ、みんなやりたいことあるんじゃないの?

変人の集まりじゃなかったの?

みんな変わってるイメージに肖りたい没個性集団に成ったの?

「中退一流、留年二流、4年卒業三流」ってなんだったの?

本当にただのネタだったの?

こんな留年率の高い大学で、なんで留年なんて怖がってんの?

やりたいことあればやればいいじゃん!

 

そもそも学校(恐らく松村さんは大学を指して使ってる?)自体がぬるいことが問題で、”学生気分”ってのがネガティブなニュアンスで使われてることは仕方ないけれども、なんかなあと思ってしまいました。

 

大学も会社も、”みんながいくから。” ”それが普通だから。”という理由でいく人たちに抱いてしまう、イライラみたいなものに私は共感したのかなと思いました。

 

 

エントリー後の対応

 

 

 

記事をTwitter等で拡散する前段階で、私の記事を見ていてすごいな!と驚きました。

 

きっとご自身の記事へのコメントやブログのほとんどを読んでるんだろうなと思いました。言葉使いは尖っていましたが、その後の対応はとても真摯だなと感じました。